ヒロリン雑学ブログ

時事ネタや歴史、漫画アニメネタの雑学ブログです。

蘇る金狼

蘇る金狼

角川映画松田優作主演のこの映画のDVDを昨日、無性に見たくなったので、久しぶりに観た。
面白かった。
確かこの時の私は高校生で、当時の拳銃の専門誌GUNの映画紹介コーナーで多くのページを割いて紹介されていたので、買った記憶がある。
当時の高校生には、割と高い値段の雑誌だったから、そうそう買えなかったんだけどね。

この映画は面白かったのに、その後、同じ角川映画で同じ松田優作主演の野獣死すべしは、あまりにも脚色されていて面白くなかった。
松田優作がどのくらい脚本にかかわっていたのかは知らないけれど、あれは大藪春彦氏を冒涜している。と言ってもいい(私の中では…)
というか、大藪春彦氏が作り上げた伊達邦彦というキャラクターを冒涜している。

野獣死すべしというのは、とても古い小説である。
伊達邦彦を表す身長体重は尺貫法で記載されているくらいだから相当に古い。
だから、それを現代にそのまま移し替えるのには無理があるとは思うけど、だからといって、伊達邦彦のメンタル。
哀しみや怒りを消し去ってはいけないと思う。

この映画を絶賛している人もいるらしいので、そういった人は純粋に原作を知らずに松田優作のファンなのだろう。
しかし映画が作られて劇場公開される以前から伊達邦彦の活躍を読んでいる私にとっては、つまらない作品だった。

現実問題。
この作品の主人公・伊達邦彦というキャラクターは大藪春彦氏の実体験に照らし合わせて創られている。
満州からの引揚者であり、その際の病気で妹を亡くしているのは、大藪氏の体験そのものだ。

私と同世代の人なら知っている人も多いと思うのだけど、伊達邦彦も活躍は野獣死すべしにとどまらない。
次々と続編が書かれて、最終的には国際スパイとして活動していく。
とっても格好いいキャラクターなのである。

だから松田優作は好きだったけど、原作も好きだったけど、映画化された同作のDVDは買いたいとは思わなかった。
あの映画の中で、松田優作が演じた伊達邦彦。
あんなに感情が表立って出ていないのが伊達邦彦の魅力なんだから。

という感想だけのブログでした。