ヒロリン雑学ブログ

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経済という名の魔物

経済という名の魔物

私が20代半ばだった頃、約35年程前の頃。
人間っていうのは【時間と経済】で自滅していくんじゃなかなぁ。と漠然と思い始めた。

そのきっかけは、やはり温室効果(現在の温暖化)というものの危険性について知ったからだ。
私はこの事を【オゾン層の破壊】とセットで知ったから、それからはニュースやメディアの発信する記事にも、その関係のものが出ると注視していた。

そんな中、1980年代の半ばで、オゾン層の破壊と温室効果ガスに対する国際会議が開かれるというので、やっぱり注視していた。
オゾン層の破壊については、わかりやすく目に見えたから「フロンガスを使うのはやめよう」という方向性で早めに決まったらしい。

しかし、温室効果ガスについては、あまり目に見えなかったために先送りにされたんだと理解した。
この時に経済というものの影響力の強さを感じたから「ダメなんだとわかっていてもお金が絡むと、すぐには中止することはできないんだ」という事に気がついた。

オゾン層を破壊するフロンガスの使用を中止するだけでも、大変な事だった。
過去記事にも書いたような気がするけど、当時のエアゾール商品の大部分はフロンガスを使っていた。
殺虫剤や整髪料、およそほぼ全てのスプレー商品は、人にとって【無味・無臭・無害】だったフロンガスを便利だとして多用されていた。
それだけではなくて工業の世界でもICチップの洗浄など、多くの場面で使われていたし、当時流行り始めたサバイバルゲーム用のガスガンのガスもフロンガスだった。

だから、使用禁止となると、数多くの生産現場で、設備を入れ替える必要が出来てしまった。
大企業でも二の足を踏むような設備の入れ替えだから、中小企業の生産会社には死活問題だ。
それでも敢行されたのは、オゾン層の破壊の状況がハッキリと見えたからに他ならない。

温室効果ガスに対しては、スルーされた。
だって、差し迫った危機的状況が微塵も見えなかったから。
確か、二つの議案があったと思うけど、現在のネットでは90年代に入ってから温暖化については会議が持たれたとされている。

どちらにしても、その時に真摯に話し合いがされていれば、その時点で現在の取り組みの柱である【脱炭素】や【SDGs】はされていただろうから、先に書いた通り、軽く見られてスルーされたツケが今になって表れている。

あまり重要視されていなかったことの証拠はある。
同じ90年代に化石燃料(石油・石炭など)に関して言われていたのは、「このペースで化石燃料を使っていったら、〇十年後には化石燃料が枯渇する」という事だった。
温暖化への危惧など、どこにもない燃料がなくなるよ、注意しようね。みたいな、俗にいうおためごかし的な事でしかなかった。

でも、過去の事なので、今更言ってもどうしようもない事ではあるんだけどね。
せめて80年代に開かれた国際会議の席上で、もう少し真摯に話し合われていたら、5年程前から頻繁に登場するようになった線状降水帯というものも出現していなかったと思う。

経済をなによりも優先するし、そうしないと豊かな暮らしはなくなるので、ダメだと思っても軌道修正がすぐにはできない。
というのが現状の元凶。