ヒロリン雑学ブログ

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アニメ四方山話(よもやまばなし)3

アニメ四方山話(よもやまばなし)3

機動戦士ガンダム その3

ちょっと話が逸れました。というか、だいぶ逸れてしまいました(汗) ちなみに高千穂某氏のもう一つの代表作には、割とみんな知っているはずの【ダーティ・ペアの大冒険】があります。 こちらも表紙と挿絵が安彦良和氏なので、1冊読んでみた。 結果はクラッシャー・ジョーと大差はなかったのだけれども、このダーティ・ペアにはクアール人の【ムギ】という生物が出てくる。 クアール人とはいっても姿かたちは大型のネコ科の生物になる。 実はこのクアール人。遥か昔のSF小説の「宇宙船ビーグル号の冒険(だったよね?)」という海外SF作家の書いたお話に登場する、【ケアル】というネコ型の宇宙生物をモデルにしているという。

これが体中から触手を伸ばして、ビーグル号内部のメカを動かしてしまい、乗組員のパイロット達は窮地に陥るというストーリーだった。 この小説は確か小学6年生の頃に読んだと思う。 嘘だと思ってらダーティ・ペアの大冒険を読んでみてくださいませ。 その特殊能力はケアルと全く同じです(汗)

さて、話をガンダムに戻しますと、ガンダムは群像劇であり、ホワイトベースの少年達の成長とニュータイプとしての人の覚醒を書いている。 これらのお話の内の群像劇である。とする部分は富野監督が何かの雑誌のインタビューで答えていたはずなので、確かです。 その中で目立った話が、シャアとセイラさんの兄妹物語であり、そのバックグラウンドとしてのザビ家との確執がある。 それとは別にミライ・ヤシマの家族の問題。 婚約者の登場。そして好意を持ってしまったスレッガー・ロウ中尉とのロマンスと唐突な別れについても描かれている。 またブライトさんは気移りの多い人だったみたいだけど、最初はセイラさんに好意を寄せ、その後段々とミライさんに好意を寄せることになる。

ガンダムの秀逸な部分としては、そうした群像劇に加えて、それまでの日本のアニメでは登場しなかったロボットは兵器である。としたこだわりとその考えのもとにデザインされたモビル・スーツの存在がある。 誰がどこからどう見てもメカニックでしかないザクの登場とそのデザインの秀逸さは先に書いた通り新しい感覚でしかなかった。 それに加えて補給部隊を登場させたり、また艦内の食糧が残り少なくなると乗組員が揃って食材の買い出しに出かける部分もさらっと登場させている。 この辺りはどのアニメ監督とも違う、富野監督独特のさりげない日常を描く感覚という物だろうか?

2020年現在の最新作である「ガンダム Gのレコンギスタ」の中にも描かれていて、それは主人公のベルリ・ゼナム君と幼馴染(?)のノレド・ナグさんと捕虜になってしまったラライア・マンデー(当時)が宇宙船メガ・ファウナ内部での歯磨きのシーン。 未来だし時間短縮にもなるしで、ガムのようなものを噛んで歯磨きの代わりとしていた女子2人だが、そこに歯ブラシという旧石器時代の遺物といってもよい物で歯磨きをしながら、主人公、ベルりは問う。 「歯茎のマッサージは?」 これは実は現代でも宇宙世紀でも、それを遥かにオーバーした未来でも非常に大切な事である。 現在でも、宇宙飛行士になりたいと思っていたら虫歯があってはなれない。

宇宙は無重力だから虫歯があって歯茎がしっかりと歯を支えていないと、その中の神経が伸びてしまって激痛が襲うらしい。 もうこうなると宇宙船内でも船外作業でもとても作業などできはしないのだ。 こういうさりげなく大事な部分を物語の中に登場させ得るのは富野監督ならではの演出であると思っている。 ロボット物ではあるけれど、ただ派手にドンパチやっているだけでは物語は薄くなる。 当たり前の話として、ロボット物であり、子供達がメインターゲットなのだから派手な戦闘シーンも必要である。 しかし、そこにだけ注力していては物語は薄っぺらく表層的な代物になってしまうと私は思っている(あくまでも私の私見であり、富野監督の真なる意向を私は知らない(汗))