ヒロリン雑学ブログ

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アニメと私その3

アニメと私その3

無敵超人ザンボット3

随分(ずいぶん)と時代を遡(さかのぼ)って書いてしまいしたが、富野監督のキャリアの深さに驚いた。ということを伝えたかったのです(^^;)

機動戦士ガンダム】から少しだけ時間を遡って、2年前。 1977年に富野監督が作ったのが【無敵超人ザンボット3】なのですが、この時は私は主役の【神 勝平(じん かっぺい)】の声を初代【ドラえもん】の大山のぶ代さんが担当していたので、ついぞ観る事もなく…。 だって、私達世代には【ドラえもん】よりも大昔のアニメ【ハリスの旋風(かぜ)】の【石田国松(いしだくにまつ)】の印象が強くて、とてもロボット物の主役の声というのが受けれ難く…(^^;) 冒頭の5分くらいで観るのをやめてしまったという…。

それでも後に、富野監督の作品だったのか。 という事で、再放送されるのを待って、じっくりと観てみたら、これもまたロボットアニメの常識を覆す(くつがえす)ような物語で、確かにね~と思った次第でありました。 大昔に【ガイゾック】という機械生命体に母星を破壊されて地球に逃げ延びた【神(じん)ファミリー】のご先祖さま。 またいつか、この地球にも【ガイゾック】の魔の手が迫るかもという事で、それに対抗し得るご先祖様の遺産を捜す神ファミリー。 そして、その遺産を見つけたのと同じタイミングで襲来するガイゾックの【メカ・ブースト】 勝平は、よくわからないまま【ザンバード】のコクピットに乗り込んでメカ・ブースとの撃退に成功する。 と、ここまではよくあるロボットアニメの導入部とそんなに変わりはないのだけれど、この後の展開には意表を突かれた。

基本的に【ウルトラマン】の昔から、正義の味方はビルや街をどれほど壊しても最終的には「ありがとう」と感謝される物だったものが、ザンボットに於(お)いては「街を無茶苦茶にしやがって」「ガイゾックが来るのはお前達のせいじゃないのか?」と、ご近所さん達から攻められる事になる。 これは確かに、ビルひとつが壊れたら、建て直すのにも大金がかかるし道路や川なども修復作業にもお金がかかる。 それよりなにより、ビル倒壊の際には犠牲者だっていっぱい出る。 という事は死人が出るという事だ。 そうなればザンボットの世界観は非常に納得できるものになる。 地球を守るために神ファミリーは戦うのだけれども、その一方で犠牲者は必ず出て、その責任を問われてしまう。 そのアンビバレンツ(二律背反(にりつはいはん))に葛藤(かっとう)する勝平たち神ファミリー。

それだけでも。ハッキリ言って見応えがある。 今まで誰も触れなかった、一種タブーとされていたことを表現というか描(えが)いていたのだから。 だけれども、それで済まないのが、この【ザンボット3】というアニメだった。 このアニメの中では人間が爆弾に変えられる【人間爆弾】という物が登場する。 これは怖い。 現実社会においても【タリバン】だったかな? 自爆テロという形で、似たような事をしていたけど、隣人(りんじん)に疑いを持つ。

「こいつは人間爆弾じゃないだろうな」いつ爆発するのかわからない人間爆弾の恐怖から、人と人との結びつきが弱くなる。 ここまで書いて、気が付いたけど、この人間爆弾の恐怖と今【進化】を続けてワクチンと称される物をすり抜けて種の保存をはかっている【新型コロナウイルス】と似てないかな? 新型コロナも、人と人との結びつきを失くす性質を持つもんね。 普通の病気なら、家族(母親だったり、奥さんだったり)が付き添って看病などもできるのに、コロナ感染だけは陽性が発覚したとたんに家族でさえ会えなくなるような状態になる。 日本が誇る【喜劇人・志村けん】さんが葬式なども執り行えず、親族のお兄さんでさえ死に目に会えなかった。 火葬場に行って弟の亡骸を焼いてやる事ができなっ方。というのはかなり衝撃的な出来事だった。

またしても脱線しましたが、話を戻しましょうね。

とにかく、その人間爆弾に勝平の幼馴染(おさななじみ)の少女がされてしまう。 この回は切なかったなぁ。 演出が上手かった。 そして戦いは最終局面を迎えて、神ファミリーはガイゾックを討ち滅ぼすために宇宙へ。 その戦いのさなか、勝平を守る為に一人、また一人と戦いの中でその身を散らせていく神ファミリー。 ガイゾックと対峙した勝平はガイゾックに、その戦いの意義や人の醜さを説く(とく)。

詰まるところ、イデオンほどではないにしても地球を守る戦った神ファミリーの大半が死んでしまい、宇宙へ出て生き延びたのは勝平ただ一人だった。 というラストは印象深い。 そして、最終局面を乗り切った勝平はやっと周囲の人々に認められるのであった。 ラストの「勝平が生きてるぞー!」というセリフは結構胸に残った(多分20歳過ぎていたのに)