ヒロリン雑学ブログ

時事ネタや歴史、漫画アニメネタの雑学ブログです。

池上彰氏の功罪

何も池上彰氏をけなそうという記事ではありません。
ただ、あまりにも池上彰氏をメインに据えた解説番組が多すぎると思うのです。

これはとても危険な現象である。と言えます。
物事の見方は多角的でなければいけませんが、これほどまでにTVに出演し、自分の意見を述べていらっしゃる姿を見ると、池上氏のミニチュア版の思考を持った人が大量生産されてしまうのではないか?
そんな不安に駆られてしまうのですよ。

確かに池上氏はご自分の信頼できるニュースソースからのデータをもとに発言されていることは確かだと思います。
しかし、人の意見というモノは、同じデータや情報を参考にしても同じ考え方に落ち着くとは限りません。

私はこのモノの見方を書物から学びました。
司馬遼太郎氏の書く、一連の幕末物がそれです。
下手な作家が書くと、不必要に悪役にされてしまう歴史上の人物が出てきます。
幕末物を例にとると、幕府側から書くとなぜか知らないけど、官軍の中でも桂小五郎が悪役扱いされることが多いですし、逆に官軍サイドから書くと新選組土方歳三が戦闘狂の悪役として書かれる事が多いです。

しかし、司馬遼太郎氏の小説では、どちらサイドから物語を書いても桂小五郎桂小五郎としてそこに存在し土方歳三も何ら変わらぬパーソナリティを以ってそこにいる。
そして、それら小説の後書きをご自分で書かれている場合、そこも十分に読み込む必要があります。
その時々の巷間に流れた風評や噂についての考察は非常にためになります。

ひとつの出来事の裏側に潜む各人各団体の事情のようなモノの見方が、私は変わりました。
つまり、ひとつの問題の解説についても池上氏一人の意見だけでなく、他の解説者の方の意見も必ず参考にしなければ、事実は見えてこない可能性が高いという事です。

データ自体は変わらないもので、それをあらゆる人が見て事実を認識するのですが、そこに自分なりの解釈を載せて解説するのが、本当のところです。
つまり、池上氏の解説も自分の想像力を加味しての解説であって、実際のところどこまで当たっているのかはわからないものだという事です。
それは一つの指針として捉えても大丈夫だとは思いますが、それこそが真実であると確信してはいけない。
何故なら、それはあくまでも仮設の一つに過ぎないのだから…。